それにより抗原回避、症状、対応のしかたなどを理解し、危機に備えるしかありません。
抗原回避のためには植物の系統分類も勉強し、症状を冷静に理解し、恐怖だけを増幅させてはなりません。
恐怖は不安発作を操り返すパニック障害を生じさせるからです。
したがって、人によっては心身医学的アプローチも必須となります。
根本対策は花粉からいかに逃れるかで、これにより特定の花粉に対する抗体が下がり、症状の軽快が期待できます。
環境改音が最も好ましく、抗体が下がり花粉症も果実アレルギーも症状が軽くなります。
しかし、植栽転換は年月を要しますし容易ではないため、とりあえず自己防衛として樹に近寄らない、外出時にはマスクをすることで抗体の上昇は防正できます。
薬の治療として欧米では花粉エキスによる減感作療法が行われ、シラカンパ花粉症に合併する果実アレルギーには有効との報告があります。
残念ながら日本では花粉エキスが販売されていないため、施行は難しいので、症状が出た時の対症療法が中心となります。
あらかじめ抗ヒスタミン剤で症状を出にくくすることも可能ですが、年余にわたって飲むこととなり非現実的です。
緊急事に最も有効なエピネフリンの自己注射がありますが、日本では林業関係者のハチアレルギー以外は自己仕射が認められていません。
このため重症の方には、抗ヒスタ薬とステロイド薬、さらにアレルギーの検査結果と診断名を常に携帯、自宅に酸素を置くことを勧めています。
あくまでも原囚食品を突き止め、これを完全に避けることが肝要で、果実を食べる目的での薬の服用はきわめて危険ですので謹んでください。
科学技術の暑しい発展は、自然科学の一分野としての現代西洋医学にも目覚ましい進歩をもたらしました。
しかし、その反面、高度化、専門化した科学的医学は、生身の身体を扱う臨床の場において、ことにアレルギー疾患や高血圧などの環境や生活的要因の深く関わる、個人性の高い病気に対しては限界があるとも考えられてきています。
一方、東洋医学は、大がどのような病気をもっているかではなく、どういう人がその病気をもっているのかという観点に立脚しており、患者さんの人間そのものを観察する医学ともいえ、科学的医学に欠落しがちな、個々の病人を総合的に捉える医学として、再評価されています。
ここでは、そのような東洋医学的療法の代表として、西洋医学にも一般的に取り入れられるようになった漢方医学的療法(漢方薬)について解説します。
漢方医学は、「病名」ではなく、患者さんの「証」にしたがってさまざまな成分を含む漢方薬を処方する「随証治療」を原則としています。
証とは、患者さんの体のどこに異常や弱点があるかを、陰陽、虚実、表裏、気血水などの漢方独特の観点から多角的にみてまとめた診断結果です。
証の決定には、今日まで長い歴史に培われた、漢方医学的経験と東洋医学的知識が必要とされ、漢方薬の処方には、西洋医学的に妃の薬剤を画-的に投与する方法はなじみません。
しかし、般的には西洋医学的な診断法で診断し、証や薬理作用を考慮しながら処方される場合が多いようです。
現在、病院で処方される漢方薬は約一一五〇種類ありますが、以下に花粉症にその証や薬理作用から効果が期待される漢方薬を紹介、します。
机成一半夏、麻損、萄薬、桂皮、廿章、細辛、五味子、乾姜花粉症に日中も頻繁に用いられる代表的な漢方薬です。
水のような丹汁が止めどなく出て、くしゃみを頻発し、身体が塞いようなら、まず小清、危湯を試みるべきです。
小溝竜湯は、漢方薬のなかでも、構成する生薬の薬即守的作用や有効性について、西洋医学的な立場から客観的な分析、評価の行われた数少ない製剤のひとつです。
麻釣、杵皮、細辛に扶アレルギー作用があり、細辛には抗ヒスタミン作用があることが報告されています。
しかし、注意しなければならないことは、麻苗にはエフェドリンという興奮作用をもつ成分が多く合まれており、エフェドリンは交感神経を刺激し、動悸、頻脈、不眠、発汗過多を起こすことがあります。
高齢者、狭心症や心筋梗塞、高血圧など循環器醇雷のある患者さんは服用を控えたほうがよいでしょう。
漢方医学からも麻黄の入った薬は、長く飲むと、胃腸障害を起こす心配があるとされており、もともと胃腸が虚弱な人には苓臣を味辛夏仁湯が用いられています。
体力が低下した冷え性の人で水様性の鼻汁または峡のある人に用いられます。
顔色が悪く、体力が低下し、痩せ型で激しい悪寒があり無気力で微熱のある人、水様性の鼻汁または峡のある人、老人、虚弱者にも適しています。
体質的に比較的強壮で、胃腸の丈夫な人が感冒などで発熱して、頭痛や肩こりの強い時に用いられます。
葛根湯は風邪のひき始めに適した処方として、最もよく知られた漢方薬のひとつで、麻黄の興奮作用により眠気のない風邪薬として人気があります。
風邪薬としてよく知られている島根湯に辛夷を加味したものです。
花粉症でも体力中等度以下の人で打水より舟、つまりの症状が強い時に適しています。
体力中等度以上で、咳、日の掲き、多汁佃向、むくみや尿量の少ない人に用います。
スギ花粉症増加の原困として、花粉の増加、大気汚染や食生活の変化などさまざまな検討が行われ、花粉症は文明病とも称されるようになりました。
つまり、花粉症を克服するためには、花粉症を個々の大開の病気として考えるだけではなく、私たちを取り巻く環境の病として捉えるべきで、病気の原因を追求してその原関を排除する西洋医学の原理と、身体に降りかかるさまざまな要素を全体像として把握しょうとする東洋医学的発想を賢く縮み合わせる必要があるでしょう。
しかし、東洋医学の問題点は、その臨床的な有効性の客餌的な評価が十分に検討さかていないことです。
先にも述べましたように快方薬はけっして副作用のない薬ではありません。
西洋医学的に、この病名にはこの薬という発想で、安易に漢方薬を求めることは慎むべきでしょう。
日本におけるスギ花粉症の有病率は、約五〜一〇%と推定されています。
すっかり「国民病」として有名になってしまったスギ花粉症のみならず、チリダニなどによって年中起こる通年性アレルギー性鼻炎や気管支喘息、アトピー性皮膚炎なども増加しています。
このようなアレルギー性疾患の増加の要因としては、スギ花粉の増加や住環境の変化によるダニ数の増加、大気汚染、欧米型の食事による食生活の変化、ストレスの増加などがいわれていますが、これらのみでは十分に説明できるとは思えません。
一九五〇年代の日本は大戦後間もない頃で、トイレは汲み取り式、野菜などの肥料は人糞が多く用いられていて不衛生きわまりない時代でした。
当時の小学生はいまのように抗生物質もなく、青演を流しているのが普通でしたが、花粉症などで悩んでいる人はいませアレルギー疾患有病率用万人あたりの患者数一回虫症、結核でした。
また多くの人が回虫症や結核を患っていました。
厚生省の統計をみると九〇年代から結核症や回虫などの寄生虫疾患は激減し、それに逆相関するかのように日光地方のスギ花粉症が初めて報告された九六四年頃からアレルギー性鼻炎(花粉症を合む)、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などが増加しています疾患の減少と各種のアレルギー疾患の増加が関係するのでしょうか?
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